LM380Nを利用した、1チップICアンプの製作(3)

前の記事から、凄く期間が空きました。何をしていたかというと、コンデンサをいろいろ代えてみて視聴を繰り返していたのです。
自分で使うアンプで、自作するわけなので、日常的に一番楽で好きな音にしたいわけです。


非革命アンプは既に完成されたアンプです。部品を二、三変えたところで劇的に変わるかというとそうではありません。視聴して違いをつかむのに数曲視聴(同じ曲だと耳というか脳が麻痺してプラシーボで思い込んでしまうのでわけがわからなくなる)し、どちらがしっくりくるか、というような方法で取捨選択していきました。

そして、自分的に、以下の構成に落ち着きました。
CDを目を瞑って浸って聴いても満足ですし、TVのヘッドフォン端子につなげてだらっとお笑いを見ていても違和感がない気楽な音です。


・電源 7812
入力 マイラ0.15uF 巻きが異様にでかくて電解みたいな奴。[R]マークだから多分ルビコンの奴
出力 電解100uF 松下の一般品、上のマイラより小さい:-P
・IC
VCC直近に、フィルム0.1uFと電解470uFをパラで接続(電解はニチコンVX)
スナバ回路もフィルム0.1uF
カップリング
入力 マイラ0.047uF (やっぱり巻きがでかい)
出力 TKの音響用470uF


積層セラミックと積層フィルムは、電源のパスコン、スナバ、入力カップリングのすべての箇所で試してみました。たとえば入力だけ積層フィルムにして他はすべて一般のフィルムだけみたいに一箇所ずつ変更して違いを聞き比べました。
その結果どこに使っても、音がギスギスする感じなので結局使うのやめることにしました。ギスギスするというよりは、出てない音の成分があるのでそのように感じるのだと思います。
それを手っ取り早く体感するには、スナバ回路の0.1uFを、マイラやフィルムと、積層セラや積層フィルムとに代え、聴き比べててみるといいです。耳が悪くてもはっきり違いがわかります。
この違いはICの入力はもとより、パスコンや、7812の入力の発振止めですら音に影響があったように感じます。


いまどきの積層セラミックやフィルムは性能いいはずなんだけどなぁ。


OSコンは、7812の出力を100uFにしてからはレギュレータの発振も収まったようで、短時間で耳が痛くなるってことはなくなったけど、結局使わないことに。
ギターのピックのキュギュっていう音が強調されすぎてて、ヴォーカルよりも印象が強く、だらっと聴くには向かないと感じました。積セラもその傾向が強かったですが、それよりもキツイ音になりました。
積セラよりも弾むような強いリズムで、音の広がりもすばらしいんですが、聴いていて疲れるならそれはもう役立たずです。


電解もメーカーによっても音質が違います。カップリングはもちろんのことですが、ICのでデカップリングに使うものもできれば音響用を用いたほうが音がよくなるとおもいます。アンプは低周波回路ですんで低周波インピーダンスの低くなるコンデンサを用いたほうがいいらしいです。


結局のところ、電解もフィルム(マイラ)も、巻きがでかいものをチョイスすることになりました。図らずも、高級アンプのよくない法則と同じです。
利用する容量で一番でかいモノだと、音質にも余裕がでる....のでしょうか??よくわかりません。



部品の選定は終わりましたので、次は基板をつくります。生基板をPカッターで彫ってアンプの基板とするのです。うまくいくのでしょうか。
不安です。
っていうかやったことがないことなので不安なだけです。弱いですねぇ>>自分



09/05/25 追記


積層セラミックや積層フィルムをICのパスコンに利用したり、レギュレータの入力に使うと、「キラキラキラキラ」みたいな音がかすれます。かんなぎDVD一巻の冒頭で、ナギが後ろからでてくるところではっきりその差がわかります。


DVDのLPCMでの視聴です。AACやMP3だとわからないと思われ:-P


09/05/26 追記


自分的にGX-70AXと比較できる音になったと感じたので、新井昭乃のアルバム"RGB"の12曲目"きれいな感情"にて、視聴比較してみた。


・LM380自作アンプ(バラック)+X68CRTスピーカ(8cm密閉型、プラスチック)
ONKYO GX-70A


完敗です(当たり前。
GX-70Aは、自作アンプの音に加えて、こまごました耳をすませていないと見逃してしまう音まで、
きちんとすべて出てくる。
自作アンプの方より生ギターの爪弾いた音があまりキツク感じない。
ピックのギュギュっという音に、弦の音がかき消されない。
あとは、やっぱりデフォルト状態で低音出すぎ。


でもプラスチック100mmx100mmx100mm程度の小型スピーカと、細い線でバラック状態のアンプが、GX-70Aの比較対照になってるくらいまで音がよくなったこともまた事実です。少なくともCRT内蔵のアンプとはまったく次元が違う音がしてます(AirとかCLANNADとかKanonとか、音がよくなりすぎて泣ける)。


次は木のスピーカー用意して比較してみよう。


あ、かんなぎの"キラキラキラキラキラ"の音の感じは、GX-70Aでも同じような感じになりました。
ながれるように連なる音が正解なのか、積セラ積フィルムつかったときのすっと音が消えて、かすれる感じが正解なのか自信がなかったのですが、やっぱりつらなって聴こえるマイラで正解みたいす。