Chu-Moyアンプをリベンジしてみる(その5)

マルツ扱いのLinkmanの抵抗が到着したので視聴してみる。

回路的に変更した部分は、分圧回路のボリュームを取り外したトコです。いろいろ取っ換え引っ換えしているうちに、33Ωと、33Ω+47Ωでキッチリニ分割できたので、VR2を置き換えることができます。
抵抗値が減ったことでTrのコレクタに流れる電流も若干増加し、音量全開時でも分圧が乱れることもないようです*1


視聴の結果は、忘れる前に箇条書きで行きます。

  • 出力抵抗R5/R10
    • 秋月1円 音の端々が削れてはっきりしない。雰囲気はある。
    • マルツLinkman 上記の不満がなくなる。ただし、いまだにHPAを通さないほうが鋭さキツサは良い。
  • Zobelフィルタ/パスコンの0.1uF
    • ニッセイAMZ(共立で売ってた/いまは秋月) 普通のフィルムコンデンサ。この音をリファレンスにする。スネアやエレキギターのソロなど、特に目立ち耳に突き刺さって聴こえる音が若干おとなしく聴こえる。アコギやボーカルはストレートでエロさや低音は強調されない。全体的にやわらかくぼやける音がするが『それでいいと思う』。
    • ニッセイMMT(秋月) 積層メタライズドポリエステル。上記でぼやけて聴こえる部分がはっきりしゃっきり聴こえる。かといってシャカシャカまで行かず強調されすぎていない。アコギやボーカルはストレートで、なおかつ上より低音がでている。リードがOFCのMFTではないが、音の通路に位置するカップリングコンデンサとしての利用ではないのでMMTで十分です。採用する。
    • ニッセイAPS(共立) LM380アンプで採用した素晴らしい音の奴。今回もオーケストラ系でうっとりする音だったがでかすぎるので使わない。ロックなどには向かない感じ(けいおん!!のOPEDだよw)。一番は他にとっておく。
    • ムラタの積層セラミック(秋月扱い) 音の輪郭がはっきりしゃっきりする。ただしチェロやアコギのエロイ感じもなくなる。美味しいところがなくなるので好きじゃない。OSコン(3.3uF/16V)もこの傾向。パフュームや初音ミクで使おう。
    • 松下のMPT(ヤフオク/廃盤品) ギターのエフェクタ用の定番。上に近い。差があまりよくわからない。
    • 太陽誘電のカーボン抵抗みたいな奴(ヤフオク) 電話みたいな音。可聴領域の10KHz前の周波数を明らかに削っている。オーディオでは使えない。マイコン回路用。
  • 電源部の電解コンデンサ470uF/16V
    • 東信UTSJ(共立) すっきりした音。強調されすぎない。ピアノなどが綺麗。低音が出ないといえば出ないが、ニチコン一社が出すぎなんではないかと思う。
    • ニチコンVX(ヤフオク/廃盤品) すっきりした音ながらも、低中音が元気になる。アコギやチェロのソロがエロい感じ。ベースもヴョンヴョン唸る。ちょっと聞いていて疲れるが『音の悪いイヤホンではこちらの方がいい』。ちなみにONKYOの初代GX-70A採用コンデンサでもある。
    • 松下の小型一般品(共立の85度一般品) 東新UTSJよりボーカルが強い。ほかはほぼ変わらない傾向だが、スネアなどがシャカついたり、ロック系の曲でガヤガヤする。
    • 松下の小型一般品2200uF/10V(共立の85度一般品) 容量増やしてみた。低音はでることはでるがレスポンスが悪くなる(?)。低音がぬぼーっとでてきてなかなか収まらない印象。ついでに容量がでかすぎる為、電源On/Off時にポップノイズがでる。不採用。
  • オペアンプ
    • NJM4580DD(秋月) とくに不満がない。上から下まででているし、ボーカルはきちんと他の音に邪魔されず通って聴こえる。採用。
    • 4560(Rohm?) CD-ROMのジャンク基板からはがし、SMD変換基板に載せてDIP化した奴。上よりも若干ガヤつく。曲中のインターバルでのアクセントになるメロディ"キラキラするような音や、太いヴォンヴォンいうベースの音、ホンキートンクのフレーズなど"が、4580より主張してくる。全体的なまとまりは上より崩れる感じだが聴いていて『楽しくなる音』。中田ヤスタカのギコボンしたベースと、アホみたいに太いシンセブラスでいい仕事するとおもう。
    • その他 縦型だったり、FET入力だったり、一回路だけだったりするのばかりなので無し。


今回視聴してみて改めて思ったのが『HPA作る前にいいイヤホン探せ』ってことです。


自分はiRiverのプリズムについてきたイヤホンを初めて使ったとき、『なんていい音なんだ!!』とか感激して以来満足して使ってきました。
実際セリアで売ってる100円イヤホンや、ホームセンターで売ってる2000円前後の見た目の良い奴とは比較にならない良い音ではあるのですが、HPAつくるなどしてメインのPhilipsの奴としつこく視聴を繰り返すと駄目だってよくわかります。
シャカつきが強いし、ボーカルよく聞くとかすれ気味だし、低音は出てるけど弱いし。
そして俺の固体だけかもしれないけど、L側がR側より明らかに音量が低い。
これは購入当時から気になっていたけど、そういうもんだと思い込んでつかってました。
他のイヤホンと聞き比べをしなかったら気がつかないことです。
もっともiRiverプリズムは、LだったかRだったか忘れましたがどちらかのオフセット電圧が4mVでてましたんで、数年使い込むうちにイヤホンの振動板の初期位置がずれてしまったのかもしれません。


いろいろ部品を取り替えて何度も視聴してみましたが、PhilipsのSHE7600をMP3プレイヤーに繋いだ、『素の状態』は相当によいです。
わざわざChu-Moyアンプを挟んだとしても音質的にはよくならないと思います。
オペアンプの特性により、ボーカルが強くなったり、若干にぎやかな感じになったりいろいろ変化はしますが、とくに不満がないなら作る必要はないです。


もともとChu-Moyアンプは、耳にかぶせるタイプのインピーダンスが64Ωや100Ωなどの、『立派なヘッドフォン』を使うことを想定したHPAです。バッテリ駆動の為、低電圧で高能率を必要とするポータブルプレイヤー用の16Ω、しかも自分のPhilipsのように108dbなどと大音量を稼ぐイヤホンでは必要ないものです。
でもChu-Moyアンプを通すことで、オペアンプによる変化も楽しめますし、出力オフセット電圧を1mV以下に押さえ込めたりするなどメリットもあるかもしれせん。PCやCDPに直結せず、1クッションいれることは、イヤホンを長持ちさせることを考えたら良いことかもしれません。


なにより眼鏡の人には、ヘッドフォンは邪魔です。欄間が低い感じです。なのでヘッドフォンではなくイヤホンでいきます。

*1:マルチメータでの確認なのであてになりませんが。