LM380Nを利用した、1チップICアンプの製作


先日、PC用小型スピーカJSP-3Nのコンデンサを交換し、見違えるほど音質が向上したことに気分を良くしたので、PC利用時やゲームプレイ時に使いやすいチープな小型アンプを作ることにしました。


・ACアダプタ電源を利用
・低出力
・中高音域が綺麗に再生できる。
・製作が簡単


ということでいろいろ検索していったところ、秋月の「東芝TA7252AP オーディオアンプキット」がよさそうだと思いました。
オーディオ回路で重要な『基板』に加えて放熱板まで付いている。それでいてごくごく安価の\500x2。出力はモノラル5.9Wもある。非常に魅力的。
しかし、自分の場合モノラル5.9Wは出力が大きすぎます。先日いじったJSP-3Nは、全力で鳴らしても2.5W出力程度。なのにボリューム半分で既に大迷惑のレベルの音量であり、その倍以上の出力の取れるこのキットは自分の要求するものに対しては明らかにオーバースペック。
接続するスピーカも、アンプの壊れたPC用小型密閉形スピーカだから、大音量の出る必要はないし。
またJSP-3N同様東芝のICであり、同じメーカーの同じような使い勝手のICをまた試してみるというのも、なにかつまらない。


ということで、自作ICアンプの定番LM380Nを使ったアンプを製作することにしました。


幸い経験豊富な先達が、自分の持ち得ない機材や測定器を用いて、十分過ぎるほどに回路の検討を行っておられます。ですので、自分は実装するのみ。
"LM380N"で検索すると、「革命アンプ」というものが上位に現れます。実に簡潔でなおかつ高音質だというその「革命」を味わうべく、そのまんま作ろうかとも思ったのですが、その回路をさらに検証し音質を追求したものもあるようです。


その名もなんと「非革命アンプ」。


「革命」を否定しちゃってます。いえ「非」なので否定ではないらしいです。よいですねー。平和が一番、革命なんて血がながれ(以下略、ではなく、音質を改善するにあたりさまざまに検証した結果を逐一わかりやすく説明なさっており、非常によいのです。
ざっと読んでみると、直流ICアンプの決定的な弱点や、負帰還の安定化について、入出力インピーダンスについて(入力のコンデンサが0.1とか10uFとか大幅に容量が違う理由などがわかる)などなど、アンプ初心者にとってはいちいち納得のいく解説や、問題点の改善の為の具体例(つまり回路)などが記してあります。


すばらしいです。
文章を読んでいて、門外漢を門の中に入れてくれる親切な人だと感じました。


ということで作るにあたり自分用の回路です。

小型密閉型スピーカ(つまり低音が出ない)を利用する為、そして、13V/400mAのACアダプタを利用する為、多少回路を変更しています。
帰還抵抗を30k->33K、スナパ回路の抵抗を2.7->3.3Ωに変更しています。
抵抗にしろコンデンサにしろE6系列から外れると、部品の入手が大変(新たに通販で発注)になるし、あまった部品の使いまわし(10本セット購入で8本余る)がほとんどないので、極力E6系列のものを使います。
点線内の部品は、基板の外、つまりケースに取り付ける部品です。
VR1はALPSの二連ボリューム(Aカーブ)です。10Kが手に入らなかったので20Kです。




ということで製作開始です。


## 09/06/11 回路図を実際に製作したものに変更しました。

### 散々聞き比べを行ったところオリジナルがベストでした。