パンサーMP3プレイヤーの電源をカツ上げしてみる

以前\980で買ったパンサーMP3プレイヤーというプレイヤーがあります。


このプレイヤーは電池がなくなったときに、音楽のタイミングがずれたり、調子が伸びたり、まったくボタンが反応しなくなったりなどの不具合があります。
普通\5000以上のMP3プレイヤーであれば、電池の電圧を検知し再生に十分でない場合なら、動作がおかしくなる前に電源を落とす処理があるはずなのですが、これは安物なのでそのあたりは省かれてるみたいです。
その症状が出た時は、電池を交換してもすぐ使えるようにならず、電池を抜き十数分放置するか、100Ω程度の抵抗を乾電池の端子につなぎ、放電する必要があります。
非常に使いにくいので、なんとかならないかと調べてみました。


分解して回路を追いかけてみると、電池の近くにコイルやコンデンサと共に昇圧用ICがありました。
乾電池の1.5Vを3.3Vに昇圧し、MP3デコーダチップに供給しています。
この手の昇圧用ICは、出力電圧からのフィードバックを受けて、一定の電圧を保つように動作します。
入力電圧が下がっても出力電圧が変わらないように工夫されているのです。
その為、入力電圧にはある程度の幅があり、1.5V以上を入れても動作します。


ということで、電源にニッカド充電池を二本、1.2Vx2=2.4Vでカツ上げしてみました。

割り箸にドリルで穴を開け線を通し、端の所にスズメッキ線を咥えさせててるだけです。
これを単四乾電池のところに挿して使います。


普通に動いてます。

より高い電圧を印加したことで、昇圧後の電圧の低下が抑えられ利用時間も延びるはずです*1
ニッカド充電池の終止電圧は0.9Vあたり、MP3プレイヤーなど電力消費の激しいもので使う場合は1.05Vあたりなので、電池がなくなる直前でも2V以上をキープします。
ですのでMP3プレイヤーが誤動作することもなくなるでしょう。
他に、ニッカド充電池は内部抵抗が低いので、高周波で発振を繰り返す昇圧回路には向いていると思います。

ここからはオーヲタ風戯言コーナー

音質に関しては、アルカリ乾電池一本のときよりもシャリシャリ感がなくなり、歌全体でのつながりがよくなったような感じを受けます。MP3特有のノイズが少なくなった感じです。


ちなみに、このMP3プレイヤーは音質が悪い製品なので、ヘッドフォンアンプを挟むと如実に音質が向上します。
全体的に太いリッチな音になり、その中でもブラスやベースなど低音での存在感のある音がしっかりと鳴るようになります。その結果、携帯プレイヤー特有のシャキシャキ感はまるでなくなり、スピーカで聴いてるような印象に近くなります。


音にこだわるひとなら結構お高い携帯音楽プレイヤーを所持していると思われますが、高価なものは出力に余裕があるためヘッドフォンアンプを挟んでみてもあまり差が分からないんですが、これだとあからさまに変貌します。
自作のヘッドフォンアンプを作った方には超オススメです。
苦労して作ったヘッドフォンアンプが働いてるのを感じ取れることに、堪らない満足感を覚えること間違いないです。


ただ、こんなんだと持ち歩けないですねw

*1:昇圧用ICのデータシートのグラフなど参照してください