OSコンつかったらどうなの??
アンプでOSコン使いたいんだけど、よくわからないんだよなぁ。
とりあえず使わない理由を挙げてみる
- もともとオーディオ用ではありません。SW電源回路用の超高性能コンデンサです。
- 高い*1。販売店が限られる。
- はんだ付けを手早く一発で仕上げないと性能が落ちる。ユニバーサル基板だとあとからジャンパをはわしたりする必要もありさらに不利。
- はんだ付けの熱ダメージから性能が回復するまでの、いわゆるエージングの時間が一般電解よりもずっと長くかかる。
- 漏れ電流が大きい。ケミコンの漏れ電流=アンプ回路ではノイズそのもの*2です。
- 乾電池電源ではスイッチングノイズなどは皆無であるため、OSコンで取り除ける高周波ノイズそのものが存在してない。
- 乾電池は内部抵抗が非常に大きいのに、コンデンサだけ超低ESRのもの使ったとして、電池->コンデンサへの電流の供給がよくなるのかいまいちよくわからない*3。
- 上記を考慮して、バッテリにニッカド充電池を使う*4すると、電源スイッチを入れた瞬間にすさまじい突入電流*5が発生するけど、減流抵抗も入ってない基板で大丈夫なのか?ユニバーサル基板の細いスズめっき線の電源ラインで焼ききれないの??
- OSコンや低ESR電解コンデンサと、超高周波でピークがくる性能のいいフィルムコンデンサを混ぜて使うと、インピーダンスに反共振点が生じ*6、逆にインピーダンスが高くなり超高周波での発振の原因になるらしい。
最後が一番の理由です。
OSコン使ったら、パスコンにMPTコンデンサだのポリプロピレンだのいろいろ試せなくなります。
そんなのつまんないでしょ。
音は問題なく鳴ってるんだけど30分くらい使うとこめかみが痛くなるような場合、高確率で超高周波域で発振してると思います。ハイ上りの時は要注意です。
私は基本的に一時間〜三時間くらい聞きたい人なので、キツイ音はいやだなー。
キンキンして鋭いスネアとかナイフみたいなピックが弦を擦る音とか聴くと、OSコンで音がよくなったように感じるんだけど、実際市販のアンプ+スピーカであんな音してないんだよなぁ。
ハンダ付けに関しては、俺は5秒基板と部品の足を加熱して3秒かけてハンダを山にするので8秒もかかり、PDFの指定より時間がかかります。
すばやくやると、いもハンダとかテンプラとかになりがちなので、どうにもなりません。
ちなみに俺のオススメはMPTコンデンサと積層セラミックコンデンサです。
MPTは、巻くフィルムにあらかじめ鉄を蒸着コートしてあるので、はんだ付け熱などでフィルムが接触しても、通電すると接触部位が過熱して離れる自己回復機能があるんだってさ。
セラミックはぶっちゃけ人工石だから、熱に強いんじゃないかと思います。なんとなく。
じっくり熱加えたい俺とかに向いてます。
他は購入先だね。
高いのはともかくとして販売している店が限られると、この程度のものでも部品調達で通販先が3店くらいになり、送料が\500x3で1500円もかかる。
トータル\1000でつくれるのに送料の方が高いのは腹が立つぜ。
通販サイトでいちいち買い物籠に入れるのも結構時間かかるし。
いまどきamazonでは(以下略。税金払(もっと略
実際のメーカー製の製品ではどうなのよ
もともとOSコンの開発元のサンヨーは、ノートPCやデジタルカメラなど小型セット向けDC-DCコンバータ方式のSW電源回路で使われる超低ESRコンデンサの置き換え*7を狙って開発したわけで、オーディオで使われるなんて想定していなかった*8。
今まで大容量で複数必要だったアルミ電解の超低ESRコンデンサを、少容量で一個で済ませられるようにし、トータルコストを下げ『安く製造できる』ように頑張ったのがOSコンです。
OSコンの正しい使われ方(ノートPCのDC-DCコンバータ)
手前の紫がOSコン。奥の緑x2がアルミ電解の超低ESR。電源回路のケミコンはわずか三つです。
だから私を含むなんちゃてオーディオマニアが喜ぶようなアホみたいな大容量のものも存在していないんですね。
実際マニュアルOSコンの使い方には、MUSEやシルミックみたいにオーディオ押しの記述は一切ないし*9。もともと製品を安く作るために性能上げたものなのに、へんてこな使い方するばっかりにかえって高くつくのもどうかと思います。
ということで、Chu-Moyの電源を市販の9VのSW式小型ACアダプターに単純に交換する場合は、電源の入り口のDCジャックの直後オペアンプ回路から離したところに一個、上記の俺仕様のChu-Moyであれば6.8uF〜33uFとかの極小容量の奴をパスコンとして置いとけば、それだけでRMAAのノイズレベルが一気に下がるので簡単便利です。
アマチュア的にはそういう風に使うのが関の山ではないかと。
あとからOnkyo製品をざっと調べてみたら
OSコン採用を明確に謳っているOnkyo製のWavioサウンドカードを数枚調べてみましたが、どうもOSコンが使われているのはデジタルブロックのみのようです。
角型光入出力(TOSLINK)の5V電源とサウンドチップのデジタル側電源の安定化とノイズ低減に採用しているようです。
アナログブロックは従来のアンプのセオリーどおりにドでかいアルミ電解コンデンサが使われています。
セパレートタイプのコンポのアンプなんかにも採用されてるようですが、所持してないので不明です。
*1:手元に買ってもってるのに高いも安いも……
*2:SEPPやダイヤモンドバッファの最終段のTrのC-Eピンに隣接してケミコンつけてみるとザーノイズでまくりでよくわかります
*3:ということでOSコン使うならバッテリはニッカド充電池以外は意味がないと思う。なんとなく
*4:GPの1000mAhの単三ニッカド充電池は、満充電時/1KHzでの内部抵抗はわずか12〜24mΩです
*5:計算すると何10Aオーダーです
*6:トラ技2004/06,p146-148,「パスコン」のインピーダンス周波数特性に関する考察
*7:WGシリーズの置き換えですね
*8:なぜかオーディオ向けで売れたので、あわてて無酸素銅のSPシリーズもラインナップしてたけど
*9:でも、一時期オーディオ用として売れまくったから無酸素銅の足の奴もラインナップに乗せてたなー。