LifePower 500Wを修理する
夏でも冬でもファンヒーターみたいに発熱しやがるようになった挙句、DVDドライブを破壊し、MOドライブからディスクを排出しなくなった電源を修理してみた。
電源の修理は絶対に止めましょう
修理の最中にハンダカスを基板に落としたりなどありがちなミスでショート・短絡すると、煙を吹いてマザーやグラボを巻き添えにして壊れたり、さらに勢いがついて部屋の壁やポスターなどに延焼して、家が丸焼けになる可能性も充分あります。
中華電源を分解すると、インレットフィルタのコイルが空中に浮いていたり、GNDパターンのショートでの焼損防止のため??か基板表面に死ぬほどGNDジャンパしてたりする挙句、その上にコンデンサを平気で載せてる*1と、とにかく部品配置が汚いよくわからない設計。
二次側コンデンサの本数がめちゃくちゃ少ないので、スイッチング周波数は速めなんじゃないかと思ったので、マザーボードに使う超低ESRコンデンサを投入してみた。
電源で使われてたコンデンサは以下のものである。
電源系 | コイル直後 | LCフィルタ用 |
---|---|---|
12V | 2200uF/16V x1 | 2200uF/16V x1 |
5V | 2200uF/10V x1 | 1000uF/10V x1 |
3.3V | 2200uF/10V x1 | 1000uF/10V x1 |
コイル直後の奴は、トロイダルコイルに近いところにあるやつ。
LCフィルタ用の奴は、電源ケーブルに近い方。
近いというのは物理的ではなく、回路図的にという意味。
5VSB系とか-12V系とか負荷が軽い方は省略。
キモになるコンデンサは上記の通り、たったの6本しかない。
これらのコンデンサを、GA-7N400Pro Ver.1とGA-7N400Pro Ver.2を修理したときに、12Vの田コネクタのところについてたVRMの入力コンデンサが無事っぽかったので、再利用し交換してみた。
- GA-7N400Pro Ver.1についてたのは、日本ケコミンKZG1500uF/16Vが三本。
- GA-7N400Pro Ver.1についてたのは、世界のサンヨーWG1500uF/16V*2が三本。
全部1500uF/16Vですが、LCフィルタ用のケミコンは容量が多少上がったところでどうってことないハズなので、5V/3.3Vは増量。
12V系の方はLPFのカットオフ周波数が上がるから問題が出そうですが、どうせマザーのVRMで徹底的に整流されるし、DVDドライブ等モータ系ではたいして問題にならないのでやっぱりそのまま。
実際、田コネクタがない時代の電源は、12V系にはフィルタがついてないし。
問題はコイル直後のコンデンサですが、これは容量が減るとマズイ。
フィードバックがかかり、スイッチング周波数が上がり、電源の発熱につながるはず。
でもΦ10のコンデンサなんて、超低ESRコンデンサくらいしかあうものがないので、やっぱりそのまま使う。
でもここは普通の電源用低Zコンをいれる場所なので、若干性能の低いKZGをいれる。
ということでフィルタ系にはWGをいれる。
100uFくらいのOSコンを並列にいれたくて2時間ちかく検索と検討したのはヒミツ。
…
……
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ということで速攻でコンデンサを替えて、緑線と黒線をショートさして電圧測ってみると問題がなかったので、マシンにとりつけて様子をみる。
BIOSの設定で、CPUの周波数を1Ghzまで、メモリの速度を100Mhzx2まで落とし、二時間ほど様子をみてみる。
電源ケースに貼り付けた温度計は、23.6℃で安定。
やっためっさ温度さがってる。
手でパンチングメッシュのあたりを触っても『アヅっ』て感覚がない。
問題なさそうなので、BIOSで2Ghzにオーバークロックさせてみる。
メモリはもちろん200Mhzx2である。
頑張れエルピーダ。
MOとSCSIカードもさしてセットし動かしてみる。
温度は26℃前後である。
MOディスクを突っ込んで、排出ボタンをおすと勢いよくでてきた。
大成功である。
ぐふふ。
ということでコンデンサを注文した。
さすがに素のまま使う勇気はないので、WG1800uF/16Vを6本注文してみた。
2200uFにしないのは、単純にラインナップにないからである。
日本製のコンデンサはおおかた記載値の二割増しの容量なんで、計算すれば2200uF弱だから問題ない。
サンヨーじゃなくてサンコンになっちゃったけど、がんばれ日本製である。