X68000 PROの電源のコンデンサについて
電源は十分に怖いパーツです!!修理はお勧めしません!!
ATX電源の移植を検討してください!!
真に受けて酷い目にあっても責任とれません。自己責任においてやってください!!
これは自分用のオンライン・メモです。他のページなどでも十分調べた上で比較、参考程度にしてください。
ウチのX68000 PROの電源は一般のタワータイプ(EXPERT/SUPER等)のものと同じものだった。PROには他に長方形型の基板の電源があるらしい。
ウチのX68000 PROの電源 基板番号AQ1716PA011D
シルクNo | 容量 | 耐圧 | メーカ | 種別 | 耐熱温度 | コメント |
---|---|---|---|---|---|---|
C9 | 470uF | 180V | ELNA | 不明 | 85℃ | 一般自立型? |
C24 | 1000uF | 25V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C25 | 680uF | 16V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C27 | 120uF | 25V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C28 | 100uF | 16V | ELNA | RJ3 | 105℃ | |
C31 | 100uF | 10V | ELNA | RJ3 | 105℃ | |
C33 | 220uF | 16V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C34 | 100uF | 6.3V | ELNA | RJ3 | 105℃ | |
C35 | 10uF | 25V | ELNA | RJ3 | 105℃ | |
C38 | 3.3uF | 50V | ELNA | RJ3 | 105℃ | |
C40 | 5600uF | 10V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C41 | 5600uF | 10V | ELNA | RSG | 105℃ | 4級塩 |
C42 | 2200uF | 6.3V | ELNA | RJ3 | 105℃ |
コンデンサは全てELNA製。
このうち4級塩コンデンサが使われているのはRSGって奴。酷い漏れが必ずあるので交換必須。
もっとも製造から20年経ってるので、電源のコンデンサは全交換が推奨されている。
# 俺個人の考えとしては、ついこないだまで動いていたのなら全てを交換する必要はないと思う。4級塩とかクリティカルな部分だけ変えて動けばok。
## 毎日使っててまともに動いているテレビやラジオ、アンプでもそうそうコンデンサ替えないでしょ。古いカーステのパスコン替えるか?替えませんよね。
### だが俺は面白そうなので全部変える。
代替コンデンサ
用途 | 元のコンデンサ | 他メーカー品種 | |||
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電源一次 | C9 | 日ケミ KMQ/LXQ | ニチコン LS/LG/GN/GU | 東信 UTWHM | |
低Z | ELNA RSG | 日ケミ LXY/LXZ | ニチコン PJ/PM/PW | 東信 UTWRZ/UTWKZ/UTWXZ | |
それ以外 | ELNA RJ3 | 日ケミ KMG/KMQ | ニチコン VZ/VY | 東信 UTWE |
個人の通販では、メーカー揃えるとか無理なんで、売ってるもので適合するのを選んで使う。
なお、PCのマザーボード用の低ESRコンデンサは、電源投入時の突入電流が大変なことになるそうなので使わないほうが良いそうだ。
X68000 Compactの場合
用途 | 元のコンデンサ | 同メーカーの代替品 |
---|---|---|
電源一次 | 日ケミ KMH | 日ケミ KMQ |
低Z | 日ケミ LXF/SXF | 日ケミ LXY |
それ以外 | 日ケミ KME | 日ケミ KMG |
Compactの電源で使われているのが、他の68の物を交換する場合の参考になると思う。
なんせ4級塩のLXF/SXF以外は20年に渡っての現行品種(KMHの160V以上はKMQに移行)。『枯れた』安心のできるパーツであることでしょう。
勘違いしておりました。全て廃品種で、新しいものに仕様変更になってます。
X68の電源の故障原因は、コンデンサの劣化により、スタンバイ用+5V電源を作る箇所の半導体が劣化することで、ある日メイン電源を入れるとトランジスタQ31が文字通り火を吹いて破壊(割れちゃう)されちゃう。基板は焦げちゃうし、ショートモードでの破壊になった場合は、ヒューズも飛ぶ。
痛みに耐えよく頑張った!!とか聞きながら幸せを信じて朝昼働いた小人さんの最後。誰も手を差し伸べなければこうなるか、見た目普通な欝状態に陥る。
Q31が見た目問題なしでも、Q32が100Khz台のスイッチングができない状態に劣化したりすると、その影響を受けて性能がでない可能性もある。
こういうのは、テスターでトランジスタの簡易検査をやっても分からない。実際にスイッチングさせてみてオシロで波形をみるなどしなければ確認できない。
俺はオシロなどセレブアイテムは所持していないので、秋月の1.5V白色LED点灯回路のトランジスタの部分に、取り外したQ32を接続し100K〜500Khz前後でパルス点灯させてみると、まったく点灯しない。
ここでようやく駄目を確認できた。
しかし、いちいちそんなことをしていられないので、基本的に焦げた辺りの半導体は全交換になる。
同じテツを踏まないためには、焦げる前に上記のクリティカルな部分のコンデンサC31を、寿命の超長いOSコンに変更するとよいらしい。
OSコンなんか今時馬鹿みたいに高くて使えないショートモードで壊れるので怖くて使えないという場合は、積極的にコンセントを抜き、使ってないときは一切電源に通電しないようにすると長持ちするでしょう。
他に回路図と部品表をみていて気になったのは、メイン5V電源の二次側、コイルの後にくるコンデンサC42がRJ3(105度の一般品)になってること。
Compactや、他のRCC方式を使っているスイッチング電源では、ここは低Zコンデンサが使われている。右に倣えということで、C42も低Zコンデンサに変更したほうがよさそうだ。
ヤフオク等で、電源が入ってるX68実機の写真つきで『修理が必要なジャンク 』が当たり前のように販売されているが、LEDが点灯しているのを見て必死で入札繰り返して買ったとしても、上のように近いうちに必ず壊れちゃうわけ。
煙を吹いて基板を焦がしたりすると、高確率で他の部品まで劣化し修理作業が大変な酷い目に合うし、T2トランスを焼いた場合はもう修理不能(一般的に流れてる部品ではなくそう簡単に手に入らないからね)なので、買ったら電源入れる前にコンデンサを交換する、もしくは修理に出すのが最良ってことになる。
もし今現在、あなたのX68で快調にグラディウスが遊べ、FDがきちんとイジェクトでき、メイン電源のスイッチを押してスタンバイになるならば、コンデンサの交換のみで修理が完了する確立は非常に高いです。
今が修理の『最良のチャンス』であります。
## でも面倒くさいよね。修理も危ないし。新品売れよ。