X68用CRTの修理に成功する

テレビ/CRTの修理は絶対に辞めましょう!

映像機器は基本的にアホじゃねーかと思うような高電圧がかかってます。感電してそのショックで、腕を壁やテレビに叩きつけて一本なくすくらいなら、3万5万業者に払って修理してもらったほうが安いです!!
もっともX68のCRTとなると、テレビ修理屋は『パソコンの周辺機器だから無理です』で、シャープは『古いものだから修理は受付けられません』で、X68系修理業者は『電源じゃないからいやじゃ』と門前払いばかりなのが問題なわけですが…。

古いテレビやモニタにありがちの、赤抜けトラブルに見舞われていたマイテレビ一号であらせられることの、3モードスキャンディスプレイテレビなCZ-605Dさんですが、ついに修理が完了しました。


上記にあるように、いろんな修理業者に拒否られて、ついに自力でどうにかするしかない状況*1に陥ったので、しかたなく、本当にイヤイヤ修理しました。
だってX68テレビの回路は、『X68000 Outside』に付録してないし、ノウハウもねーし、第一高電圧普通に怖いぜ。
リア小のとき毎日往復した陸橋に貼ってあったカンバンの『危険!!20000V』とかに近いんだもの。
電車かよ!!
こぇーよ。
結局、素人なんで修理完了まで二年もかかる羽目になりました。
でも治ったからFAです。
ええ。


修理の方法ですが、ネットで主にブラウン管テレビの修理についての情報を検索し、素人が手をだせる範囲で一生懸命やってみました。

  1. トランジスタの劣化を疑って全部外して、テスターで簡易チェックする。
  2. 発熱が激しいネック部の体積の小さい小容量コンデンサは、容量抜け疑って片っ端から交換。
  3. ブラウン管のネックソケットのハンダ割れもあるかも知れないと、ハンダを取り去って新しいのを盛ってみる。
  4. 垂直水平は問題ないのにそっちのTrのハンダ割れを疑って、下側基板をいちいちチェックする。

などなど。みたいな。


闇雲にいろいろ突っついてみるようなプロがみたら怒鳴りそうな修理作業を、やる気を出して手をつけては失敗し、失敗に大いに凹み、適当に他の簡単なことを成功さしてやる気を稼ぎ再度挑戦みたいな感じで、7、8回挑戦した末にようやく原因を特定し修理することができました。


故障原因は、CRTネック基板のコネクタのハンダ割れでした。
ここを、ハンダゴテでつっついて溶かし治すだけで修理完了です。
イママデノドリョクハナンダッタンダ.....。



タイラップの下のあたりの6連のところが割れてた部位

いくらやっても治らんので、5回目の修理の時くらいに全ランドにハンダ盛る暴挙にでた後の図。ネック基板は洗浄できない部位であり汚いです。



ディスプレイテレビのビデオ信号入力やアナログRGB信号入力を処理する映像信号基板から、ブラウン管裏側のスすぼんだところ〜ネックいうらしい〜についているCRTネック基板へ繋がるケーブルがあるんですが、これが繋がるネック側のオスコネクタのハンダが割れていました。


このケーブルには、中間にフェライトコアがついてます。
焼き物の石の輪っかです。
つまり、休日に海の岸壁で釣りを楽しむ時に使う程度の、それなりな重さの錘がついていると一緒です。
ということは、モニタの持ち運びが何度もあるような環境で使ってると、錘がブランブランと揺れ動くわけで、ケーブルがつながっているコネクタに負担がかかるのは想像できます。
コネクタのランドが、Trのベースに入ってるカーボン抵抗と同じだけの一番小さいサイズだったのも手伝って、ハンダ量が極端に少なかった為、そういう外的な力で割れやすかったのかもしれません。


普通、モニタなんかそうそう持ち運びしないだろ、とか思いますよね。
俺、学生の時分は寮生でしたから、春夏冬の長期休みの時には必ず実家と寮の間で持ち運んでましたし、PC-AT導入後はモニタ複数になって邪魔だから部屋の中でさんざん移動しましたし、調子が悪くなってきてからは二度ほどシャープのサービスに旅させましたし*2、自力修理に入ってからはブラウン管をひっくり返すこと20回くらいもやった*3ので、クラックの原因は確かにめちゃくちゃ思い当たります。
ノートPCじゃないけど、持ち運べるパソコン*4は壊れやすいのかもしれません。


またコネクタ自体が、ネック基板の端についていて見逃してしまったのも、修理が長引く原因になりました。
なんとなく『故障するならこれだろ』的に、Trやコンデンサ、CRTソケットにばかり目が行ってそっちばかり突っついていました。



しっかし修理して一番最初につなげたのが、RGB出力のPS3つうのもなんともw

本来ならばここはシャープ製の第7世代目くらいのパーソナルワークステーションが威風堂々と鎮座する場所です。どうしてこうなった......。


ひと通り遊んでみたら、やっぱりピンクやマゼンダが強い気がする。
9300Kのモニタなので赤がピンクがかっていて正常みたいですが、気になるレベルです。
ああでもホワイトバランス調整ってどうやるんだよ。
機材ないよ。
困ったよ。
でも当たり前だけど黒が黒いぜ。
蛍光灯切って部屋真っ暗にしても黒いぜ。


ちなみにゲームですが、ポリゴンマシンも三世代目に入ると、いちいちキャラや文字にアンチエイリアスをかけてくれるので、15Khzの低解像度でも普通に遊べる。コイツだと遅延は完全になしの0ですのん。うほ。
低解像度といっても、X68の256x256ドットやPS1みたいな320x224ドットみたいなプログレではなく、基本的に15Khzインタレースなんで(640x224)x2です。
昔と同じモニタつかってても、当時の2倍もしくは4倍の情報量です。
時代は進化しましたのぅ。

やるひとがいると困るので、注意です

CZ-605Dは水平31Khzの表示ができますが、その31KhzはX68の768x512/512x512ドットモード専用*5です。
一般的なVGA解像度の信号を入力すると映らないばかりか、変な音がしてマルチスキャン回路が誤動作します。
2000年ごろAT機買ったときX68のCRTと共用しようと頑張ったときがありましたが、電源入れたときの周波数スキャンの『カチョン』という音がいつもと違う感じで長引いて、その後何も映らなくなったので諦めました*6
無理やりVGA映そうとすることは辞めときましょう。
せっかく正常動作しているものをぶっ壊すのは惜しいですぞ。


X68モニタでVGAが確実に映る奴は、X68000Compactとセットで広告に載ってた14インチCRT*7で、こいつは正式に31KhzのVGA解像度に対応しています。
セガサターンでもドリームキャスト*8でもモニタ一台で遊びたい人はこちらです。


他にはセガテラドライブのモニタでもなんとかなるかもしれません。
68000系のマシンのモニタに繋ぐときは、基本的に15KhzのアナログRGBを入力ってことで。

*1:普通は捨てます

*2:................................チッ

*3:そういや前回の修理で赤に加えて青も抜けるようになったっけ

*4:X68本体にはキャリングハンドルっていうものまで装備されているのだ…

*5:確か垂直が56Hzしかなかったんじゃないか?

*6:次の日電源いれたら何事もなかったように復活したけど

*7:テレビ/ビデオ入力はついてない

*8:DCはちょっとした改造で15Khz出せます。31Khz専用のゲームは三本くらいだけです。