いじめからの自殺

結構自殺多いよね。ソースはテレビのニュースだけどさ。


ワシらの時代...〜とか書くとジジイ確定してしまうのでこういう書き方は好きじゃないが、実際に私が経験したのは何十年も前の私の学生時代なのでそう書くしかない〜と今の時代の違いってなんだろうかとちょっと考えてみたんだけど、決定的に何か違うものがあるかというとやっぱりあると思う。
たぶん情報の伝搬速度が異常に速くなって、また伝わる範囲もめちゃくちゃに広範囲になったんだな。


だれそれがいじめられてるとか、そこまでいかなくても学内ヒエラルキーで低層にいるっていう情報が、スマホやらPCやらで瞬時に伝わる。
でもって一度書き込まれた情報は、よほどのことがない限り消されることはない。
さらには最悪なことに、その情報は当の本人にも伝わる。
少なくとも知らなきゃ不幸にならないのに。


いまの学生生活の中で、いじめられたとかそれに近いネガティブな情報が、学生のコミュニティに一度でも書き込まれれば、それはそのコミュの中での誰彼の公式情報・設定になって確定する。
一度確定されれば覆ることがない。
すくなくとも中学や高校では卒業するまではその公式設定に従ったキャラクターの学生に落とし込まれる。
下手すれば大学に進学したり就職してもついてまわる。


でもって私がいうまでもないけど、日本人はソーシャルな設定が、世間一般のアベレージモデルに比較して偏差値が±10%くらいの完璧でないと、対話の相手として認めない。
一度でも汚れたりキズモノになったら、良くて触らない、悪くてツバ吐き掛ける。
それを大半の人間があたりまえのようにやる。
いい奴といわれてるやつでもやる。
同年代の学生だけでなく、親や年寄りの世代でもごく普通にやる。
『あいつイジメられてんだってさ...』『へー、そうなんだー(関わらないようにしようっと)』
傍観者の視点からすればごく普通の感覚でこれやるよね。
私もやるし、やられたし。


これは辛すぎる罠。
自分で意図せずその状況に陥ったら、もう自力で覆す術がない。
となれば、自分のことを知らない世界に行くしかない罠。
世間一般でいうマトモじゃない職業の世界とか、ワーキングホリデーで外国にいってそこでパートナー見つけて若くして結婚するとか、自死を選んで来世に旅立つとか。
もう辛い選択肢しかない。
それを選択しないようにするには、モラトリウムになりうる場所に数年にわたって身を置いて、過去の情報が古くて役にたたなくなるまで待つ〜ペンディングする〜のが一番かもしれない。
社会的な時間が流れる中、本人の時間を止めてしまうのだ。
しかし残念ながら、日本にはそんな場所は実家の部屋ぐらいしかいまのところ存在しない。
それにしたところで実家でそういうことを許さなければ、やっぱり死ぬほかないような。
実家で許したところで、いまのところ日本の企業中心でまわってる社会では、それを許してくれない。
やっぱり死んだ方が楽かもしれない。


日本って、米国でときどきやる拉致監禁されて出てきた被害女性を、マスメディアからなにから上げてめちゃくちゃに盛って応援する感じって、まったくもってないもんね。
またそれを被害者本人も望まないしね。
そこまでやらなくとも被害者本人が助けをもとめたら、黙って手を差し伸べるような便宜を図るくらいの社会ではあってほしいと思う。いわゆる『粋』って奴だね。
それがごく普通に行われるようになれば、自死を選ぶ奴は減ると思うわ。
日本的なやり方っていうと、それしかないと思う。


正義とか悪とかそんなタラれば話は実際のところなんの役にも立たないんだよな。
どっかに逃げ道があって、都合がいいタイミングで救いの手があれば、人はそこを通る道を選ぶんだ。
そしてそれが今の日本にはないから死ぬ。


そんな感じにおもったとさ。
突飛な発想と、思い込みをも前提にした話で失礼。