EASY・RIDER

俺がいまだに車に肩入れできず、いい年こいてバイクが好きな理由がばっちり描かれすぎてて吹いた。


バイクに乗ってる若者は基本ごきげんなのですよ。
ニヤっと笑って手を挙げてイヤッホーってな感じ。
逆につらくて悲しいことがあったときは、馬鹿正直に素直に感情を出してみる。


対してピックアップトラックに乗ってた親父共は、自分の苛立ちを他人にぶつけてみるわけですよ。
この映画ではバイク乗りに悪意を向けて、最終的にはライフルの実弾をぶち込みます。
ぶち込んだあとも別段イヤッホーってな感じにはならず、苦虫噛み潰した表情のまま去ります。



私は子供の頃からバスで通学していましたが、バスの車窓から眺めるすれ違う車のお父さん方は、まずまちがいなくピックアップトラックの親父の面をしていました。
別におじさんだけではなく、教習所で自動車の教習を受けていた同級生も、ともすれば同じような表情で教官にどやされながらハンドル握ってたように思います。
そんななかふとバイクの教習のほうに目をやったら、あいつらは違う顔をしていました。


その顔がいまのいままでなんなのかよくわかりませんでしたが、私は一瞬でそちらのほうに行こうと決め、次の日に普通自動車の免許と同時に普通自動二輪の教習を受けることに決めて、最終的にはバイクを買うに至ったのでした。


この映画は、バイクとドラッグと暴力の三要素でなりたってるそうな。
バイクと暴力ならばまあなんとかついていけてもドラッグにはまったく興味がないし、出ているバイクもリアサスもついてないわフロントのブレーキもついてないわと、世界に名だたるF4EにF15戦闘機作った国が用意するバイクとは思えないもので、いままで避けて通ってきた映画です。
でも、まあ見てよかったと思います。


あの時教習所で400SFにまたがってた別のクラスの同級生のツラを思い出しました。
デニスやピーターとまったく同じツラしてやがりました。
ははは、馬鹿だ。
俺もきっと馬鹿です。