オリンピックの身代金 前・後編

松山ケンイチには、なぜかよくわからないけど反逆の匂いがする。


この作品はわかりやすい二元対立の形で構成されている。
島崎やその他の学生運動に首をつっこんでた連中は反政府思想のリベラル、オリンピックの警備をまさかれてる警察や、オリンピック成功に絡んで裏取引があるヤクザ連中は保守勢力である。
リベラル代表になる島崎は論理的思考で会話し行動を進め、彼を止めるべく動く保守の警察は、幹部は怒鳴り散らして命令下し、実働部隊は現場100回が基本の感に頼った捜査っていう形。
そして警察は、最終的には話で解決できないもんだから、見つけ次第殺せと射殺命令までだす。
お上の威光に叛く奴は殺してしまえって奴だ。
原作者は天安門事件が日本であったならどういう形になったのかって感じで本書いたのかな。



怒鳴りちらし感情丸出しの警官連中に対して、徹頭徹尾冷静沈着で紳士的な振る舞いと柔らかい物腰の島崎。
これだけわかりやすく差異をつけられると、いかに私が空気の読めない人間でもなにをいいたいかが理解できる。
ようするに保守連中は古い流儀に固執して周りが見えなくなってるバカの集まりで、リベラルは時流を把握して理想を追い求めるだけの頭があるかっこいい存在ってことを示したいんだろうな。
すくなくとも脚本書いた人は。
原作は読んでないからよくしらんけど。



ドラマ自体はすごく面白かった。
しかしながら長すぎて、いろいろ他のことをやりながらで見たので集中できないのが残念。
私たちが子供の頃より前の話で知らないことが満載だったし、当時のことでも政治に絡んだ学生の話は、私はほとんど知識がなくそれらを多少なりとも仕入れることができたような気がする。
うちの父や叔父はそれら子供には絶対に教えてはいけない事柄としてとらえていたようで、テレビに浅間山荘の話題がでたりすると瞬間的にチャンネル切り替えてたしな。

いろいろと古いのが新鮮

事件爆弾に、マイコン式起爆回路が使われず目覚まし時計が使われてたのがなんなんだろうなと思ってたら、時代は1960年代でまだ名古屋撃ちとか確立されてない時代の話でした。