最も遠い銀河 前/後編

丁寧に作られてるわりには、一番肝心なところがわかりにくいのが最大の問題
誰がなぜそうしたのかっていうのが、はっきりしないんですわ。


特に最後のコインのシーン。
主人公が1枚だけ裏返しにした意思表示に対して刑事が5枚表で返したコインは、今際の際の言葉に近いものだと思うわけで、背中を押すような父親の愛情に近いものを受け取ったなら自殺を思い直し、その後の人生を死んだ仲間への想いと自らの罪の両方を背負ってそれでも生きていくという方向で終わらないと、感動のラストに突入ってことにはならないはず。
なのに、コインのくだりはまったく効果無しで、船で焼身自殺のエンドになってる。
だから『あれ?なんで死んだの???』って感じで4時間を終えた。


他にも、宝石デザイナーの女は、作中で重要なキャラとして何度も何度も主人公に絡んでくるにもかかわらず、一番肝心な昔助けてもらった時の映像化がなされてないので『なんだコイツ』程度の存在になってしまってる。
またこいつが作った詩もなにかあれば引き合いに出されたので、おそらくなにかしらの『伏線』なんだろうなと思っていたら、見事に回収されずに終了する。


全体的によくわからなかった。
とにかく伝わってきたのは、金があれば学校いけるしいろいろ有耶無耶にできるってことと、結局自分がやったことと同じようなことで死ぬってことと、刑事は死ぬまで刑事ってことと、若い男女が二人いれば気がついたら子供ができてるってことだけです。

あとからちょっとばかり検索してみたら

やっぱり原作そのままではなく、テレビドラマ用、というか朝日の流儀的にこういうもんだろっていうような、ものすごい改変がかけられてたみたいだなぁ。
原作準拠だと、コインのくだりの次に、漁船のくだりが入り、ここのエピソードでもってやっぱり死のうみたいな流れになるんですね。
極悪御曹司の殺害実行犯の変更という物語の一柱を変更したことによって、いろいろ様々連鎖的に変更する羽目に陥って最終的にカットされての肩すかしなエンドを迎えたわけだ。


ところで『詩』の伏線は回収されてたのかー。
あの子供がそれかー。
でもナレーションつけるとか、墓石の前で詩の朗読して子供に読み聞かせるとか、何かかやれやー。
検索して原作との比較してる記事よまんとさっぱりわからんですよー。



8ヶ月ほど寝かせてようやく消化したわけですけども、やっぱり不良在庫みたいな録画データでした。
4時間半返してくれ。

っていうかこれが55周年記念作品なんだぜ

いくらかけてしかもこの出来でok出したのか理解に苦しむ