クライマーズ・ハイ

正月は面白い映画がやたらとたくさん放映されたのでストックが増えた。


冒頭一分の会話のシーンで、この映画は面白いやつだなと本能的に察知したような気がしたらば、やっぱりとても面白かった。
新聞記者たちの会話のやり取りが小気味よかったですな。
普通日本人同士の会話だと、スルー力がとても重要視されるというか、相手が何を力説しようと自分が気に入らなければお茶を濁すし、ぬるま湯すするくらいで済みそうになければ完全無視は普通ですわな。
でもこの映画だと主人公が吼えたことに対して、他の記者や上司は完璧にキャッチして投げ返してくるんですわな。
いい人たち、そしてとてもいい職場です。


主人公の台詞、口から出る言葉の盛り上がり方というか、気持ちの飛ばし方もなかなか真に迫っていたような。
最初は冷静に努めて言葉を選んで静かに二言三言切り出す。
それを、まず最初に一発横っ面をひっぱたくようにバシっと否定され、次に主に伝統だの体面だの重石を乗せられ否定されると、新聞製作の情熱を潰すなといわんばかりに感情爆発でもって取っ組み合い寸前につっかかる。
うーん。
ハリウッド映画ならばごく普通なんだけど、これを日本人にやらしてみると、まるで……になるんだなぁ。


と嫌味ったらしい指摘は置いといても、この映画は面白いです。
若干長めだし、こそこそ耳打ちするシーンはほとんど聞き取れないため何度も撒き戻す羽目になりますが、それを差し引いても面白いと思います。
ラストは残念というか、そういう潮の引き方なの!?って終わり方でしたが、こういうのは一部始終の変遷を楽しむものなのでそれはそれでアリだと思います。




ただもう二度と見ないだろうな。
疲れる。
見終わってけだるい脱力感に襲われるのは、面白い証明なんだけどね。
いやほんと。