SUPERの電源修理の一部始終

電源の詳しい修理方法は、他のサイトに素晴らしいものがありますのでそちらを参考にしてもらって、こちらは日記的に読んでください。


外した4級塩コンデンサ
ウェスは、サンハヤトのクリーナーを軽くかけた程度の簡易清掃で、こんな茶色になる。もう全部捨てましょう。
外すときはものすごい臭いがします。明らかに体に悪い感じです。コンデンサを外すときは、できれば晴れた日に屋外でやるのがいいでしょう。
クリーナーを吹いて簡易清掃後は、屋内でもまあ我慢できます。


5Vメイン系の電解コンデンサ付近。
T2トランス/S3の表示のコイル/抵抗/ダイオード/フォトカプラ全て外して清掃しましょう。特にS3のコイルの下は、隙間が大きいのでべっとりとついてます。
ダイオードはどこに付いていたかわかるように、100均でピルケースなどを買ってきて一つずつ管理します。
ケーブルは抜け防止の為の返しがついている金具でまとめられてます。その為、外すときに時間がかかり、ケーブルの皮膜が痛んで芯線がみえてしまう状況になりました。ケーブルは外さないほうがいいかも。
ヒューズが溶けたりトランジスタが割れていたりする場合は、隠れてみえないが赤い線の上にあたりに位置する470Ωx2の抵抗(+5V/+5VSBのブリーダ抵抗)が、溶けていたり誤差数値をオーバーするようになっているはず。必ず確認。


12V、-12V系の電解コンデンサ付近。
三端子レギュレータの足元に抵抗やダイオードがあり、清掃が困難で洗浄不足になりやすい。7812を外してから、抵抗/ダイオードを外し歯ブラシや綿棒でしつこく清掃する。
なおファンコネクタの下にもべっとりついてます。はずした方がいいです。
基板の端のやたらでかい三端子レギュレータは、穴のサイズに対してキツキツで入ってるので、外すときに時間がかかります。ここは外さず、綿棒にクリーナーをつけて足の間を綺麗にする方法で。
T1トランスの下は、縦置きのSUPERの電源は電解液が下に流れたのか問題なかったが、横置きのPROの場合は多少ヨゴレがありました。できるならばT1トランスを外し、電解液がないか確認することをすすめる。
外さない場合は、T1トランスの足と足の間に綿棒を通し、拭き取るようにする。クリーナーは多めに吹いてください。


部品を外したら、クリーナーをまんべんなくかけ、3分待ってから歯ブラシで磨く。その後クリーナーを大量に吹いて洗い流す。
Q31/Q32/ZD31は必ず交換してください。特にZD31は要チェックです。
このSUPER電源ではZD31は分解した時点でテスタで異常数値を示していたのですぐ交換しましたが、PROの電源についてたZD31は全く問題なかったので交換しませんでした。その結果通電しても電圧はでず、開けて再度外して確認したら壊れていました。じわじわと劣化していたのが再度通電でオシャカになったんだと思います。
なお自分は念には念を入れ、100Ωx2の抵抗と、C37のフィルムコンデンサも交換しました。交換した奴はマルツ扱いのLinkmanのメタライズドポリエステルです。


外したダイオードは、クリーナーで洗浄してから、テスタで導通と抵抗値が異常でないかを確認してから再度ハンダ付け。ダイオードの裏側にヨゴレが残ってないか確認してください。
コンデンサのまわりの抵抗は、漏れた電解液が染み込んでる場合があり、修理完了後無事動いたとしても数週間で異常数値を示したり、抵抗値が無限大〜つまりオープンモードでの故障〜になる場合があるらしいです。ですので、できれば新品に交換したほうがいいです。
ここではKOAの1/6W金属皮膜抵抗に交換しています(マルツパーツで一個\20とのび太抵抗のくせにめちゃくちゃ高価です)。
但しR99とR100は誤差±1%の特殊な奴なので元に戻します。コンデンサからいくらか離れているので、電解液の被害にあってないと思います。



コンデンサを取り付ける前に、抵抗値とダイオードの組み付け確認をします。間違った抵抗を付けていないか、ダイオードは元と同じところにつけたか、極性はまちがってないか、確認してください。
OKならコンデンサを取り付けますが、洗浄可能なもののみ取り付けます。洗浄不可能なものはこの後の基板の裏を洗浄してから取り付けます。


基板洗浄の前に、再度チェックを行います。
コンデンサダイオードの極性、抵抗値が間違っていないか、ハンダ付け忘れがないか、パターンが浮いていないかを確認します。チェックシートを作って二度やるくらいのことはした方がいいと思います。
パターンが多少剥がれているように感じる場合は、さっぱりとそのパターンは諦めて補修してください。抵抗やコンデンサの足、細い配線等、パターンの太さに応じて適当に修復してください。部品の足と足を直結する感じです。基板から浮かないようにして、電源のケースに接触しないようにするのも忘れずに。


その後、再度洗浄します。主に裏側、ハンダ面に吹きかけ歯ブラシで擦り、吹いてヤニを流します。
乾燥するまで30分お茶など休憩してください。ここでの焦りは禁物です。
最後に、洗浄不可能なコンデンサを取り付けます(自分の場合は一次側の黒いニチコンコンデンサです)。
そこまで終わったら電源をケースに組込みます。仮組みなどはせずキッチリ組み込んだほうがいいです。X68の電源の構造上、仮組み通電で、上蓋の鉄ケースが暴れさすと危ないのでやらないほうがいい思います。
基板中央の穴に取り付ける樹脂の支えを、忘れずに取り付けてください。
電源のケースにクリップを取り付けるときに、絶縁シートがクリップの端で切れたり穴が開いたりします。
クリップはペンチか何かでひらいてから押し込むとよいです。



あと書き忘れましたが、回路図を入手して、部品を一個一個確認したほうがいいと思います。
抵抗とダイオードトランジスタ、FETはテスタで死亡の確認ができます。
ツェナーダイオード、三端子レギュレータは、ブレッドボードとACアダプタがあれば通電して電圧確認できます。
慌てすめんどくさがらず、やれることは全てやるのがいいと思います*1


ちなみに交換に使った部品は

  1. 一次側コンデンサニチコン
  2. 二次側コンデンサは東信
  3. ダイオードルネサス(旧NEC製のほうかな?)
  4. 抵抗はKOA
  5. フィルムコンはLinkman(ニッセイがよかったなぁ..)
  6. トランジスタ東芝/NEC
  7. フォトカプラはシャープ
  8. フォトサイリスタ東芝
  9. 半田吸いとり線はHakko
  10. ハンダ/半田ゴテはgoot
  11. クリーナーはサンハヤト
  12. 配送は佐川

元の部品もよくよく見ると、全て日本製です!!わーい!!!
頑張れ!!ニッポン!!!

*1:だって修理に失敗するとファンが回転したとおもったらすぐに止まって、焦げた臭いが立ち込めちゃったりするんだものww