Justy JSP-3Nの改良


今は亡きJusty扱いのJSP-3Nというスピーカがあります。これを多少改造しました。
LM380使用の非革命アンプ製作の前に、1チップICアンプに接続する部品を変えることでどの程度音質が変わるのか、ということをとりあえず身をもって体験してみようというのが、主な改造の目的であります。


特徴
・PC用小型スピーカ
・1チップオーディオIC搭載(東芝TA8217A)
・スピーカは4Ω3W


アンプ基板と、データシートの推奨回路図と見ながら、どこをどう弄ればいいかと調べていったところ、以下の二点を変更すれば温度/高周波安定度が増すようなので改造しました。


・ICのパスコンの変更
セラミック->ムラタの積層セラミック
・出力とGNDに並列に入っているセラミックコンデンサの交換*1
セラミック->フィルムコンデンサに変更

コンデンサは交換前と同じ容量のものを使いました。セラミック0.1uFx3を、フィルム0.1uFx2、積セラ0.1uFに変更です。



ICの両脇の大きなコンデンサの左に映っている黄緑色が交換したフィルムコンデンサ
ICの左上に映っている青いものが交換した積セラです。


##改造前の写真は取り忘れました



ほかに、ブーンというノイズを拾っているのが気に入らないので電源も改造しました。

・7808とダイオードx2で9.4Vの安定化電源の作成

  • >スピーカ内部のトランスとダイオードを取り外し、別基板でいわゆるトランス式ACアダプタに、三端子レギュレータ7808を利用した安定化電源を作成しました。

変更した結果は??
・スネアや、さ行の歌詞などがにごらずに聞こえるようになった。
・ボーカルやアコギの音が生々しく聞こえるようになった。
・ブーンというノイズがほぼ聞こえなくなった(音量全開にしてようやく聞こえます)。


自分の耳でもこの程度は確実にわかる変貌を遂げてくれました。小中音量で聴く程度なら上から中まで綺麗に聞こえます。大音量にすると音が歪む前にスピーカがビビり出してガヤガヤといった印象になります。まっとうなスピーカにこのアンプを接続した場合が楽しみですが、ちょうどいいスピーカがないのが残念です。


コンデンサ類は、コストダウンのためセラミックが使われているものを、データシートにて指定されているように高周波特性の良いパスコンとフィルムコンデンサに変更しただけです。
電源は、ブーンというノイズが気に入らなかったので、とりあえず安定化させてみようと思い、データシートの推奨動作電圧である9Vに近くなるように変更しました。手持ちに7809がなかったので、7808+ダイオード2個による電圧かさ上げですが、とくに問題がないようです。
作ってから某掲示板で聞いてみたのですが、オペアンプの増幅は抵抗にのみよって一意に決定されるようなので安定化は意味がないそうです。となるとブーンというノイズは信号線の下に設置されていたAC100Vの電源線から拾っていたのかもしれません。



次は、カップリングコンデンサをオーディオグレードに変更してみようと思います。
変わるんでしょうか。やっぱ変わるんだろうなぁ。

*1:2010/12/07追記 このコンデンサはZobelフィルタ(スナバ回路)と呼ばれる発振防止回路で使われるものです。Zobelフィルタには高周波特性の良いフィルムコンデンサやMPTコンデンサを使うべきなのですが、コストダウンの為一番安いセラミックコンデンサを使ったことで音質が大幅に劣化していたというわけです。