MotoGP 2014 日本GP

ロッシの時代が終わったかー


ちょっと前までは、トップカテゴリのスポーツ選手はだいたい30歳で定年を迎えるのが定説で、それはMotoGPの世界においても変わらないはずでしたけど、ロッシは粘る。三十路半ばにおいて、視力や体力に加えて精神力もおちてくるはずのところを、21歳のかつての彼自身のような糞餓鬼*1とガチのバトルをやらかすのがまた凄い。
結果負けるわけだが、トップスピード350km/hでコーナーでも100km/hくらいのところで、カウルをこするくらいの近接でもって抜きつ抜かれつをやってのける。負けるにしてもタダでは負けない。
あっさり抜かれず、きっちり若者に胸を貸して負けるところはまさに王者の貫禄である。
すげぇ奴だ。


バイクの進化もまた凄い。
私がGPに夢中だった時代はまだ500CCが走ってた時代のころで、34番のラッキーストライクマルボロカラーのYAMAHA、ついでに大嫌いなH社*2のオレンジのマシンが走ってた。
このころはデータロガーの性能がまだプアで、ライダーが走ってはメカに伝えてセッティング治して、体の調子に合わせてメカさんがこそっと調整したりとかそういう時代で、コンピュータでデータとって管理して最適なセッティングをはじきだすなんてことはやってない。
だからコーナーでバイクのフロントが盛大にチャタリングしたり、ちょっときつい突っ込みすると車体が前後にロデオするみたいにぶるぶる震えたり、リアタイヤが盛大に滑するとあっさりこけるかハイサイドしてハイシャにしてたりと、いちいちある意味バカげた漫画みたいなシーンが毎回のようにあった。


それがまあ、昨日観たGPときたら、まるで新幹線のようにビタっと安定してる。
バイクのパワーがありすぎて、コンピュータでエンジンからトラクションからすべてコントロールしないと、リアタイヤが空転するばかりで前に進まず全然速くないので、マシンの制御制御に力をいれたらテレビで見る分にはえらく安定している様子*3になっちまった。


過去を振り返って昔はよかったなんていうともうおしまいだけど、500CCの4気筒でシュワンツとレイニーがケツ叩きあいながらながら、ロデオしていたあの時代が懐かしいです。

*1:失礼

*2:このメーカーが変な特許申請したおかげで2stV2の市販車はツインキャブをV角の間に埋めるレイアウトが取れず、週末整備をする私は大変苦労したのです

*3:乗るほうはたぶん前よりキツイと思う