ラストエグザイル〜銀翼のファム〜

10年近く前の前作で非常に感動したアニメの続編で、2012年半年遅れの午後4時ころの放送を録画してみたアニメです。
音楽が異常に好みだったのを思い出して、再度DVDレンタルしてきてテレビのスピーカじゃなくて、アンプにつなげてスピーカから鳴らして楽しんでます。


私個人の趣向にものすごく合致したアニメで、スチームパンクの世界観でロードバイク同然の機動性の小型タンデム飛行船によるドッグファイトと、巨大戦艦郡による大規模艦隊戦があるのが魅力なのに加え、剣から銃に移行するあたりの産業革命期のイギリスから第一次世界大戦時代的な風俗や設定がたまらない。
国家間の戦略は大枠として用意してある程度にライトにしておいて、戦術や戦闘はいちいちごく細かく丁寧に、交渉ごとはアニメチックに感情的にと、アニメファンが注視するシーンや事柄に対し適切な演出を必要なだけ突っ込んでくるこなれた作り込みは、GONZO全盛期を思い出しとても好みの作品です。


ということで物語自体はかなり面白い……というか好きすぎてたまらないのだが、いかんせんキャストの声がキャラとあってないのである。
ちぐはぐ。
そうちぐはぐである。
主役の二人はなんとかなっているが、トランの皇女二人の声がフィットしてない。
姉のほうは声質に薹が立ってるのに加えて画に合った色気というか皇女的な品格がにじみ出て来ないし、妹のほうは15歳設定なのに20代の東京の学生街住まいの素敵女子感が酷い。
主役三人娘のナイトを務める異世界からの訪問者は、前作から180度性格が変わってしまって垢抜けたのはいいとしても、やっぱり声が合ってない。というかディーオは男性声優でいけただろとか思う。
ディーオが紹介する同族のアルヴィスも、声優さんの声が立派な20代中盤の迫力のある声そのものであり、イメージにまったくそぐわないのに加え、確か花澤さんは2011年から2012年は他作品にも大量にでまくっておりキャラに入り込めてない感じを受ける。
シルビウス乗員や敵側の連邦の将軍たちに女王様の、イメージに合致する声と演技と迫力は素晴らしいのに、メインになるの女子連がどうにもしっくりこない。


GONZOといえば、中期から後期には微妙なアニメつくるので有名だった。
作画は崩れ気味だったし、作品自体も典型的なわかりやすい萌えアニメや少年バトルとはまた違った感じ。
ターゲットは20代から30代前半狙ってたのか、若干テレビドラマよりの現実ネタを取り込んでたり、作品全体に社会派のテーマを一本しっかりと持ちこんでいるんだけど、アニメっていうことで変態気味の演出でそれを料理してみてたりしてた。
まあよくわかんないけども面白い、そして、一度見ると記憶に残る作品を作ってたように思う。
実際、巌窟王砂ぼうずバジリスクSPEED GRAPHERとかウィッチブレイド、レッドガーデンやソルティ・レイなど、今でもストーリーがすぐに思い出せるし。
きっとそれは脚本がしっかりしていたのと、作画でがんばれない分、声優さんには放映当事に売り出し中の有名声優に頼らず、キャラクターを演じきれる実力がある人を適切に割り当ててたからだと思う。


しかしこのアニメは合わない。
昔のGONZOじゃない感じ。
メインキャラを人気声優を当てて逃げ切ろうって感が見え隠れする。
GONZOっぽくない。


まあそんだけ違和感ありありでも好きですけどね。
LAST EXILEGONZOさんは。