日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち 第3回 丸山眞男と政治学者たち

昨年の戦前と戦後のシリーズの半数を視聴して、非常に興味深かったので本年度も録画して視聴中



基本やたら長い……けど長くないと、中身がよくわからないのでしょうがない。
なんていいますが、私たちが知らないことや、意図的に義務教育の中でなかったことのように教えられずにきたことが、バンバンとでてくるのがとても興味深いと思います。
自分の生活に直接的にかかわらない、1000年近い前の平安から鎌倉への東海から西の私のとっては割とどうでもいい騒動や、500年前近くの旧武家政権の崩壊からの内戦を経ての、二度めの崩壊を防ぐ意味での異国文明との交流や移動の制限される鎖国突入とか、既に完了して物語レベルになってしまった歴史なんかを暗記したところではっきりいってなんの役にもたちゃしません。
しかし近代になると別です。
なんで戦争がおき、なんで国会でろくな議論もなしに法案が通ったかや、それに対してあとから知らされるだけの国民は不満をどのように表し、それがどのように作用したかなど、今の世の中でも通用するようなHowTo本に近いような試行錯誤とその結果がそこにあるのです。と思います。



と前置きをながかったのですが、今回はものすごい左翼というかリベラル思想の話でした。
人間誰しも若かりし頃の強烈な体験と、そこから這い上がるための苦労と意識しない努力、と言えば聞こえはいいけど、ようするに過去のトラウマからの逃走脱却が人生を決めちゃったりするものですが、丸山先生もある意味それがあてはまってたようです。
若い頃論客の講演をきいていただけなのに、東大入学の布石になる一校の学生だというだけで特高警察にボッコボコにされ、戦中は陸軍の内務部隊に召集されますがそこでもボッコボコにされ、その後広島の海軍のとこで通信業務を担う箇所では辛うじて生き延びるけど原爆により被爆しボッコボコにされる。
壮絶な青春体験があってからの、民主主義や民主化への渇望、右へ右へと向かって軍が権力の頭についた軍国支配だった現実の過去からの逃走が、その原動力だったようです。


で、その丸山先生は何を提唱したかというと、民主主義は完了することがない、現実にある問題に対しさまざまな議論を戦わせ、その上で次どうやっていくかを決めることを延々繰り返していく、永久革命としての民主主義を根付かせようと尽力したようです。


東大他高学歴で政治や法学について専門的に学ぶ学生だけでなく、一般庶民を含めて議論する庶民の大学みたいなことをやってたようです。
いまでいうところのFacebookで討論会告知して、来場した人はもちろんツイッターや動画コメントまで含めて討論みたいな感じなのかな。などと妄想しています。



前置きが長いくて本文は一行です。
すまん。

今回の放送で本当に驚愕したことはというと実は……

丸山先生のご子息の丸山彰さんへのインタビューで、彼の書斎が映っておりましたが、なんとそこにはおそらくクリスキットなる超絶レアなアンプが鎮座しておりました。
鼻血が出そうなくらい興奮したでござる。