ガリレオ劇場版 〜真夏の方程式〜

ガリレオの劇場版は好きじゃない。


劇場版はテレビシリーズとは違い、前作の「容疑者Xの献身」でもそうだったけど、容疑者およびその家族の人生を描きすぎるきらいがある。
テレビ版ガリレオのファンは、科学トリックと傍若無人な湯川のふるまいを楽しみにしているわけで、容疑者やましてやその家族や人生なんかに興味がない。
おそらく東大がモデルの帝都大学内の一角にある、変人扱いされてる教授と彼にまとわりつく学生によって形作られるモラトリウムに、視聴者も入り込んで現実逃避を堪能したい。
入り込めないまでも、あの頃を思い出してちょっとばかし頭を回しながら懐かしみたい。



なのに劇場版ときたら、そのモラトリウムを捨て、若人よ街に出よ、すべてを見よっていうメッセージが伝わってくる。
登場人物を通し、時間は残酷なまでに常に流れていることを意識させるのである。
それが劇場版のガリレオなのである。


うんざりなのである。