ボウリング・フォー・コロンバイン

よくわからなかったけど、面白かった。


ドキュメンタリーなのに面白いと感じるのが、マイケル・ムーアというひとのテクニックというか持ち味なんでしょうな。
くっそつまらなかったり、教会だのPTAに近い団体がかたるモラルだのなんだのという視点から描かれたならば、開始5分くらいですぐに止めるはずですから。


映像の面白さに比べて話の内容は実に真剣なものです。
アメリカの少年による無差別発砲事件と、銃があちらこちらに氾濫している現実のレポートと、そして銃規制をしないさせないNRAと米議会とマスコミの絡みについて、突撃インタビューの形式でレポートしています。
アメリカという国の生い立ちとそこに常にあった銃と銃を使う文化について、アニメで単純かつ明快に説明していたりして、わかりやすくおもしろいです。


もっとも、これを真に受けるとネトウヨとかサヨクとかそういう系になりそうなので、アメリカのちょっと前の現状を知るアイテム程度にとどめておくくらいがちょうどよさそうです。


最後に、マイケル・ムーアというひとは、他の外国人の例にもれず日本に過度な期待をしすぎている感もあります。
映像特典のインタビューで、日本では銃がらみの事件でなくなった人数が年間39人とかそれ以下だったりすることに触れていますが、日本でもナイフや自動車を使った無差別殺人や、なぜか年間3万人台をキープしていることになってる大量の自殺者なんかもおるわけで、特定の一点のみにスポットを当てて国全体がいいとか悪いというふうに単純化して考えるのはいかがなものかと思いました。

あとマスコミの話題にも触れてたな

  • 夜のトップニュースで凶悪事件をはしごしてながす。
  • その合間合間のコマーシャルで防犯目的の商品の宣伝をする。

これで、実際には犯罪の発生率は年々右肩下がりで下がってるにもかかわらず、防犯の商品はがんがんうれるそうな。
日本でも、防犯機能付きの携帯や、子供さんの送り迎えようの軽自動車、個人用警備会社のサービスなんかのCMがセットになってますね。


日本は、アメリカのコスイところを真似ばっかしてることがよくわかります。
ということでこの映画はアメリカのみならず日本のことでもあるのではないかと。

しっかし死体映りまくりだろ……

日本のマスコミとか映画がどれだけ視聴者に配慮してるかがよくわかるくらい銃殺されたひとの映像てんこ盛りで、だんだん麻痺してくるのが自分的に嫌でした。