IntelliMouse Opticalを修理する

僕は"Microsoft IntelliMouse Optical 1.1A"を愛用しています。


何がいい、とりたててここがいいっていう感じではなく、ごく普通です。
特徴らしい特徴というと疲れないことです。
しかし、一番使用頻度の高い道具であるマウスに、特別に何かを感じ意識することもなくそこにあってあたりまえのように使えることって、道具としては実はすごい完成度ということなのかもしれません。


で、そのマウスも購入後6/7年目にあたる今年、ついに左ボタンに不具合が発生しました。
一回ボタンを押すと数回押したようになってしまう、チャタリングが発生しています。
意図しないダブルクリックが発生したり、コピペしようと文章をドラッグするとドラッグ中に基点が解除されたりなど、安定しなくなりました。
ということで、分解修理してみました。


手っ取り早く済ますには、左右ボタンのスイッチを取り外し入れ替えることです。
使用頻度の少なかった右ボタンを段違いに多い左にもってくることで、たいていの場合は問題がなくなります。
しかし、今度は右ボタンで問題が確実に発生するはずです。
それはちょっと避けたい。


検索してみると、スイッチ本体を分解し、接点に鉛筆の芯をこすり付けて回復させるやり方で修理した方もいました。
鉛筆の芯に使われているカーボンには導電性があるので確かに有効かもしれません。
しかし、まったく同じスイッチではない可能性もある*1ので、その方法が使えるかどうかわかりません。
とりあえずやってみようということで、左ボタンのスイッチを基板につけたまま分解してみると、やっぱりというか残念というか若干違うようでした。

接点金具の接触通電する部分に、種類の違う金具が溶着されてる感じです。
写真では、中指の先の下、黒いプラスチックの中央のあたりの金具の部分です。
横に長い金具の左端下側に、下向きに凸があるのがわかるでしょうか。
このように、異種の金属が存在している場合は、受け側金具のメッキがはがれようが接触は問題ないように思います。


ということで、鉛筆を使うのはやめて、スイッチの接点にIPAアルコールを浸した細長い紙を当てて擦るという真似をしてみました。
やってることはオーディオの入力端子を接点復活剤をつけて拭き掃除をしていることと同等です。
接触部の両方を紙で擦ること20回、その後は乾いた紙で10回擦って完了です。
紙はコンビニのレシートを細く切ったもので特別なものではありません。


その後は分解したスイッチを元にもどしてから、左右のスイッチを交換しました。
ハンダゴテと半田吸い取り線を使って基板から取り外し、左右交換の後に再度半田付けで取りつけます。
基板では、お約束の鉛フリー半田が使われているので、鉛入りヤニ入りの半田をいったん流しこんでから、半田吸い取り線で取り外し左右交換して再度取りつけます。
最後に、マウスのホイールやケースを元通り組みなおし、修理完了です。


でもって調子はどうかというと、バッチリ以前同様調子がよくなりました。
左ボタンを押す右人差し指は、軽く押して反応するようになりました。
逆に右ボタンは若干強めに押すことになります。
何年も使うとヘタり、押した感じだけで気がつくだけの差がでてくるってことですね。


スイッチ内部の金具を擦ってみた効果もあったのか確認してみました。
"コンパネ->マウス->ボタン->主と福のボタンを切り替える"で、右ボタンをメインボタンにして、
ダブルクリックやドラッグ操作などを30回ほど行ってみましたが、とくに問題なく使えました。
効果のほどはあったようです。



マウスは同じものを買うと、通販で三日程度かかりますが修理だと45分です。
ハンダゴテが使えて、部品の取り外しなどのやり方がわかっているならば、面倒くさがらずってとこですかね。
あまったお金(?)でMicroSDカード8GBを三枚程度買えますよ。

いま試しにamazonで検索してみたら、新品\3,980のバルク\2,500でした。

そんなに高いのかよ。
いまどきマウス一個が。
うーん………さすが天下のMSは違うぜ。

*1:このマウスはベストセラーモデルなので何度もマイナーチェンジ行われて複数のバージョン違いが存在してます