クリプトン球に日亜の超広角LEDを仕込む

電球を使っている昔ながらの懐中電灯は、一時間も使っていると電池がなくなり電球がほとんど点灯しなくなる。
このほとんど点灯しない状態というのが悩ましい。
LEDなら問題なく点灯するのだ。


ということで、今さらながらクリプトン球にLEDを仕込んでみた。
使ったLEDはジュールシーフででてきた日亜の電球色LEDのNSPL570DS。
このLEDは砲弾型LEDとしては超弩級の130度という照射角を誇る*1
きっとLED一灯でもクリプトン球の代替になるに違いない!!


ということで工作してみた。
点灯しなくなったクリプトン球のガラスを、ウェスをかまして金槌で割って、中に220Ωのカーボン抵抗を仕込んだ。
クリプトン球のガワは、ケツに当たる部分が60Wのハンダゴテで溶けるので、そこに抵抗を差し込んで適当に丸く仕上げる。
その後LEDを内側に入れてハンダ付けするのだが、これが異常に難しかった。
ウィザードリィだったら確実に毒針くらってるね。
最後に、電球とLEDの足の隙間にホットボンドを流しこんで固定する。


出来上がったものを、電灯にセットした。

つかう電池は、クリプトン球のフィラメントが若干赤熱する程度でほとんど発光していないくらいの、もう捨てるレベルのもの。
開放電圧は一本当たり1.32V前後のアルカリ乾電池が4本。
スイッチを入れると普通に点灯した。
点灯時の電源電圧は4.9V前後。
LEDのVFは実測2.8Vなので、(4.9-2.8)/220で約9.5mA流れている。


LEDを点灯させるという点では十分だけど、懐中電灯としてはやっぱり電球よりは若干くらい。

写真だとまるで駄目ですが、実際には照らしている領域がもうちょっとオレンジっぽくぼおっと浮かび上がってます。
電池が完全に切れる30分くらい前のあの感じにまるっきり同じ。
普通の電球の電灯にしか見えない。


もっとも新品の電池を入れれば((1.6Vx4)-2.8)/220で16mA強になるから、もっと明るくはなるが、そうすると古い電池を限界まで使うという前提が崩れちゃう。
むむむむむ。
抵抗を330Ωの並列にして165Ωにしてみるか。
古い電池のみ使う前提で100Ωまで下げるか。でもそれだと自分以外の家族が新品の電池入れた時にLED焼けちまう。
それに電球工作は思ったよりも全然大変なのでもうやりたくない。
いいやこのまんまで。


超広角のLEDなので、普通の照射角30度程度のLEDのように遠くまで光がとどかず、電灯の直近50cmを照らす程度にしか使えない。
でも屋内でなら十分ともいえる。
電球の懐中電灯は他に2つあるから、一台はこんなんでもいいかも。

なんか気がついた

はー、こういう実装もとい工作が難しくなるときに、抵抗ではなく定電流ダイオードを使えば、20mAなど一定の電流を確保でき尚且つスマートに仕上がるのか。
なるほどねー。


次パーツ買うときに注文してみよう。

面倒臭がらず100Ωにしてみた

上記と同じ電池で4.5V弱になった。電流は計算上約16mA流れていることになる。
負荷が大きくなったため電圧が下がった模様。


家の土間からガラス戸を介して小屋の扉の隙間を照らして、小屋の中身が確認できるくらいには明るくなった。
9.5mAと16mAでエライ違うじゃない。
十分実用レベル。
ほう。



やっべー、日亜信者になりそう。

12/03/09 電流制限回路を仕込んだので追加

2SC1815Yトランジスタ二つが、電球の金具の中にひっくり返った状態で入ってます。

疲れたちゃー。
もう二度とやらん。
最初はチップトランジスタでやったのですが、ちょっと無理でした。
長い足があるから空中配線は実現するのですね。



上記の単なる抵抗一個から、ニ石電流制限回路に変更しました。

計算では21mA程度になる筈だったんですが、なぜか24mAあたりにおちつきます。
まあ問題ないと思います。


これで、新品の電池を入れてもLEDが焼き切れる心配もなくなりました。


肝心の明るさですが、普通の電灯と変わらないくらいになりました。
明るいかっていうと明るくないけど、暗くて使えないかというと全然そんなことはなく、これでもいいかという感じに妥協してではなく、普通にちゃんと使えるレベルです。


もっと明るいものが欲しいなら、クリプトン球やハロゲン球*2と新品の電池を使った方がよくてLEDなんか捨てちまえって感じです。

*1:他のLEDメーカーでも広角のものはあるが、せいぜい60〜80度だし、日亜のようにどの角度から見てもムラなく同じように光っているのは見たことがない

*2:自動車のヘッドライトのランプはハロゲン式です