SCSI機器を使わずにX68とPCをつなぐ方法を考える(その5)

まずはシリアル接続してのファイル転送が、使い物になるのかどうか試してみました。


RS-232C(9pin-25pin)のシリアルクロス変換コネクタを作りました。

9pin側はPCに、25pin側はモデム付属の一般的な25pinストレートケーブルを接続しX68に接続することで、PC〜X68間をクロス接続し、シリアル通信でのファイル転送ができます。


ヤフオクで検索すると、カモンの9-25ピンシリアルケーブルが安かったので買ったほうが良かったのですが、到着まで待ってられないのと、シリアルクロス配線には二種類あり、一般的な一種類しか売られてないのですが、両方とも試してみたかったの手元の材料つかって作りました。


上の写真は、TxD-RxD/CTS-RTS/DTE-DCE/GNDの三対クロスです。
もう一種は、TXD-RxD/(CTS+RTS)-DCD/DTE-DCE/GNDになっています。
CTSが送信側のRTSに直接もどり、相手側のDCD(キャリア検出信号)に入ります。こちらが、一般的に売られているPCAT(9pin)-PC98(25pin)のシリアルクロスケーブルになります。
あとついでにもう一種、TxD-RxD/GNDのみの接続もやってみました。1チップマイコンを接続するときにはこの3線のみ接続するのが一般的です。


どちらでも無事に通信できるようですが、上の方では、通信ソフト(Z-MODEM等)でキャリア信号の検出を行わないようにします。
尚、TxD-RxD/GNDのみ接続した通信では、38400bpsにするとエラーが出まくってるようでした。特にY-MODEMはなんども止まります。9600bpsでは特に問題がないようです。
1チップマイコンは通信速度を9600bpsにして接続するのが一般的ですが、TxD/RxDの二線しかピンを割り振れないために速度を下げてるってことがわかります。




実際の通信速度は3Kbyte/s前後でした。計算上は3.75Kbyte/sですから、転送効率は3/4前後ってとこです。
最近の基準からすれば遅すぎて話にならないのですが、X68で使うプログラムやデータは、フロッピーディスクに何個も収まる程度のサイズのものばかりで転送量が極めて小さい為、あまり問題になりません。意外とシリアル接続でも使い物になります。


問題は、ソフトの使い勝手です。
転送前に受信側で受信ソフト(Z-MODEM)を起動し、送信側の転送ソフト(TeraTerm)でファイルを選択し送信し、転送が終わるのをまたなければならないわけです。それを1回の転送*1が終了すると、繰り返す必要があります。


WinでのD&Dの簡便さとは、かけ離れています。
X68が発売されて20年、Winが発売されて15年、いままで誰も改良しようと考えなかったのでしょうか。なぜX68が終わってしまったのが、なんとなく実感として伝わってきます。

*1:ファイルは複数まとめて転送できるが、転送エラーが度々出る可能性があるため数回に分けざるをえない