東芝なにやってんのかなぁ...と思ってから6年後の今、やっぱり......

以前テレビで、東芝ウェスチングハウス(以下WH)を買収したことをドキュメンタリーで伝えた番組があったんだけど、あの映像みたときからなんか不安だったんだよねぇ。


そのとき見た映像は、WHの設計部に東芝のお偉いさんが視察に訪れて、設計者に注文つけて設計の変更を促す映像だった。
WHは定期的に交換する必要がある部品を、米国に設置した原発ではそれまでの何十年かはフィルタだかなんだか「中身だけ交換する」やり方でやってたのを、東芝のお偉いさんはユニットの設備ごとまるごと全部とっかえるように指示してた。
それに対してWHの米国人の設計者は、「(ランニングコストがすくなくとも10倍以上に膨れ上がるし、原発を停止する期間も数週間から半年に伸びるので)合理性がない、なぜだ?」みたいな旨で質問してたら、東芝側はあたりが柔らかく対応しつつも「まあまあ、いいからいいから」みたいな感じで、ゆるーく、しかし反論は許さずみたいな、実に日本的な対応で方向を変えるようなことをしている、結構恐ろしい映像でした。


ウェスチングハウスってのはWikiれば分かるとおり、もともと米国の原発開発企業。
米国や欧米っていうのは、そもそも実利主義でいいものが安ければいい。コスト/ランニングコストをひたすら下げてくし、下げたものを提供しようとするのが普通の考え方*1


それなのに日本企業、しかもほぼ国営企業に近い存在であるパワーハウスの東芝が買っちゃったからさあ大変。とにかく高コスト/高ランニングコストに持っていけって言う風に暗黙に設計変更を与えたみたいな印象があった。
なんでそういうことをやるのかというと、電力関係、しかも一切妥協が許されない原発みたいなユニットは、こんだけ金かかると申請すりゃまず間違いなく補助金がお上から出る。出ないときには電気料金にその分上乗せするよっていえば、文句垂れられてもまず通る。間違いなくガンガンお金突っ込んでもらえる存在なら高けりゃ高いほど売上があがる。
東芝の経営陣はこんなん風に考えたんだろうなー、と私は妄想する。
少なくなくとも日本の原発ではそうなってんだろ。


日本でも、欧米同様に100均やamazonの日常品/民生品にあたる商品を中心に、低コストの流れになっている。
しかし、立派なもの、素晴らしいもの、そもそも高価なものは、それがあまり意味もなくともとにかく金をかけて完璧すぎるくらいの状態にしておく考え方もまたごく一般的なものである。



その映像をみたあとには、ご存知リーマンショックがきて世界全体で財務状況が悪くなってからーの、東日本大震災津波がきてからーの、原発に対するアタリがお上と民衆からともに厳しくなって、最初から高コストで設計してめちゃくちゃ高額で売ろうとしたところに、さらに厳しい安全基準のお達しがあり対応していくと異次元のコストにユニットになりーの....、みたいな感じじゃないの??

*1:一部そうでないところもある。MSとかMSとかappleとかね